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8月1日
本殿(一間社流造銅板葺 元檜皮葺 江戸時代) 鳥居(木造八幡鳥居)
享保年間の由緒書によれば、この地は往古、神功皇后が逗留された場所と伝えられ、神社は平安時代に創建されたという(「神功皇后聖母大明神」)。
その後、「天文の回禄」により拝殿等すべて焼失したが、後世、村人らが鎮守の神として今の小社を再建した・・・とある。
『紀伊続風土記』では、往古この地にあった、八幡宮大鳥居の傍に、八幡神を勧請したのが始まりで、古くは「鳥居社」、「鳥居ノ宮」などと呼ばれていたが、その鳥居が無くなってのち、時を経て「鳥居」が「逗留」に転訛したものであろう・・・と考証している。
「神功皇后伝説」に由来する転訛ないし変更とみられるが、地元では今でも当社を「おとりさん」と呼んでいる。
現社殿は江戸中期の特徴を具え、現存する古文書や金石文の初見年代も18世紀前半に集中することから、この時期に当社が再興されたとみられる。
社殿の造りや史料内容から野上八幡宮との密接な関係が窺われる。
『紀伊国名所図会』には、当社石段下の、道路を隔てたテラス状空き地(小字「鳥居」、現在は宅地)に、小祠や石灯籠が描かれており、かつてこの場所に「鳥居」があった痕跡とも考えられる。
現社殿造営前の姿に関しては未詳ながら、南北朝時代や室町時代の元号をもつ田地寄進状写や、礎石とみられる雨垂石、社殿裏山の青石露頭前面に設けられた祭壇状石組等、断片的な手掛かりが遺されている。
(社叢)
境内地は、樫・椎等の照葉樹の原生林に覆われ、まことに神厳である。
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